![]() | ぐるぐる猿と歌う鳥 (ミステリーランド) (2007/07/26) 加納 朋子 商品詳細を見る |
社宅を舞台にした、子供達の冒険の話。屋根瓦に書かれたぐるぐる猿の絵は向きによって姿を変える。子供の抱える光と影と本当のこと…。
北九州を舞台にした子供達がとてもかわいい。主人公は本当にやんちゃで暴れん坊で読んでいるだけでヒヤヒヤする(笑) 友達との仲たがい、幼児の頃の誘拐騒ぎ、その時別れたきりの大事な友達。かわいい話なのに、かなり重くて、読み終えたあとに色々と考えさせられます。素直になれないミモリ、戸籍のないパックのこと、大人の男の人がこわいココちゃん、女の子を欲しがった家に生まれた5兄弟…。子供の世界にもいろいろある。しんみりしつつも、未来を感じさせるいいお話でした。
![]() | ななつのこ (創元推理文庫) 加納 朋子 (1999/08) 東京創元社 この商品の詳細を見る |
駒子シリーズの読み返し。北村薫系の日常ほのぼのミステリ。ピュアでキラキラした感じが、この年になるとなんだか気恥ずかしく感じる。でも昔読んだ時の若さを思い出してしまい、なんともいえない気持ちになってしまった。文通で知り合う読者の駒子と作家さんのお話。
![]() | スペース (創元クライム・クラブ) 加納 朋子 (2004/05/31) 東京創元社 この商品の詳細を見る |
駒子シリーズの3作目。これで終了…なのかな。瀬尾さんと駒子の間の淡い恋が着実に進んでいて、ギャー!という気持ちになった。キラキラ純粋すぎて気恥ずかしいぃぃぃー。駒子と瀬尾の話、それからもう一組のカップル。ラブにあふれた一冊となっていまして、なんだかすっかり当てられてしまいました。まっとうな少女漫画を読んだような読後感…(笑)
![]() | ななつのこものがたり 加納 朋子 (2005/09/30) 東京創元社 この商品の詳細を見る |
そんで最後にこの絵本にたどり着く、と。もーねww 少女漫画すぎますねww 安直で王道で、でもそこがいいんだろうなー。
![]() | モノレールねこ 加納 朋子 (2006/11) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
加納さんといえば日常の謎ものだけど、これはミステリではなく「家族」をメインテーマにした心温まる短編集でした。連作ではないです。どれも良い作品ばかりで、ほんのり暖かい気持ちになったり、ちょっとうるっときたり。すごく良い本だったなあ!
私が一番好きだったのは「バルタン最期の日」かな。家族を見守るバルタンの視線が優しい。次点は「ポトスの樹」。ロクデナシの父親を持って最悪だと思っている息子の話なんだけど、その父親のロクデナシっぷりや、息子の恋人のほんわりとした天然の優しさに癒される。おすすめです。
![]() | あやめ横丁の人々 (講談社文庫) 宇江佐 真理 (2006/03/15) 講談社 この商品の詳細を見る |
旗本の末っ子紀藤慎之介は、婿養子の縁談も決まりつつがなく迎えた祝言当日に花嫁をその恋人に連れ去られてしまう。逆上のあまり花嫁の恋人を斬り捨て、花嫁も恋人の後を追い自ら命を絶ち、そのせいで相手の家は跡継ぎがいなくなりお取りつぶしになってしまった。勤め先を失った家臣の面々は逆恨みして、次々に慎之介の命を狙い始める。慎之介は「あやめ横丁」に町人としてかくまわれることになるが、あやめ横丁には秘密があった…。
あやめ横丁のあやめ、は人を殺めるの"あやめ"で、そこに集まる人たちはみな悲しい過去を持つものばかりだった。もちろんそれなりの理由があってのことで、だからこそ刑罰を受けずにあやめ横丁暮らしになっているわけなんだけど、皆悲しい過去を持っている。その過去がひとつひとつ明らかになっていくのが色々と切ない。あと、ヒロインの伊呂波がおきゃんでかわいい。宇江佐さんの描く時代物の女性はみんな気が強くておきゃんでかわいいんだよなあ。伊呂波もかわいかったし、最終章で出てくる薙刀の達人の女性もキュートだった。なかなか面白かったです。
![]() | 楽園 上 (1) 宮部 みゆき (2007/08) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
旅先に持っていって読んだ。さすが宮部みゆきというか、心理描写などの描写力はすばらしく、涙ぐんだり胸が詰まった場面がいくつかあった。なんでもない日常なんだけど、それがこんな風に鮮やかに描かれているのはいつものことながらすごいなあ。前作の模倣犯はだいぶ前に読んだのでもう一度読み直してみたいけど、なかなか精神的に大変そうだ。私はあれほどインパクトのある本に出会ったことがないので。
そんな前作を考えてしまうと、この「楽園」は実に物足りない本だった。前畑滋子の抱えた重さはよくわかるんだけど、読者にとってそれはさほど魅力的なものではないし、上下巻でこれだけの枚数を費やしたにしてはカタルシスがちょっとちっぽけすぎた気もする。多分宮部みゆきだからこそ、どうしても平均点のハードルが高めになっちゃって点が辛いんだろうなあ。
![]() | 風が強く吹いている 三浦 しをん (2006/09/21) 新潮社 この商品の詳細を見る |
箱根駅伝に挑む、陸上初心者ばかりの10名の竹青荘の住民の1年を描く青春ドラマ。とても面白かった。「バッテリー」(あさのあつこ)や「ハチミツとクローバー」(羽海野チカ)を連想しました。さわやかさとか青春時代の甘酸っぱさとかがなんとなく。
それにしても爽快感のあるお話でした。ハイジさんと走の関係がとてもよかったです。挫折を経験したハイジさんが監督として、また選手としてアオタケの皆を引っ張っていくのですが、その手腕がとても素晴らしかったです。優しく厳しく、辛抱強く、細かく人を見た的確なアドバイス。人を引っ張っていくっていうのはこういうことなんだなあ。
走の走ることが大好きだという感覚、私にはさっぱりわからないのですが(笑)、胸が震えるようなその美しいフォームが目に浮かぶようで感動しました。
しかしどうせならラストに恋の結末もちゃんと描いて欲しかったかも!ww
![]() | たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF) ジェイムズ,ジュニア ティプトリー、浅倉 久志 他 (1987/10) 早川書房 この商品の詳細を見る |
今ごろ読むなって感じでサーセンw 名作だという話は知っていたのですが、なかなか読む機会がなかった。もっと早く読めばよかった。でもまあ「輝くもの天より墜ち」が出版された今になって読んだのは悪くない選択だったかも。
宇宙を旅する人間の異星人との邂逅を中心にした3つの話が連作になっている。表題作では、冒険を夢見る金持ちのまだ14歳のキュートなお嬢さんが親にナイショで宇宙に飛び出して、とある異星人とファーストコンタクトしてしまう。彼女の魅力と、明るく朗らかな様からは想像できないくらいに思慮深くて機転の利いた振る舞いに目頭が熱くなりました。歌のくだりと、ハン・ルー・ハン。
でも一番素晴らしいと思ったのは一番長い3話目。「衝突」というタイトルの、異星人とのコンタクトを描いたお話。こちらのコンタクトは敵意にみちたもので、戦争が始まってしまうかもしれないという緊迫感に満ちたもの。お互いの言葉もわからぬまま、手探りでなんとか平和に分かり合いたいと必死で試行錯誤する人間達の姿に胸が詰まりました。赤子に喋りかけるような言葉で必死に敵意のなさや、和平の大切さを訴えるところがねえ。
あとは、最後にそれらを振り返って司令官が漏らす、個々人のちいさなちいさな選択が折り重なって大きな結果を産んだことが怖いという一言。これは本当にそうだなあと思いました。どんな悲劇もはじまりはきっと些細なことからなんだろう。
![]() | 輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6) ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア (2007/07) 早川書房 この商品の詳細を見る |
![]() | オタクで女の子な国のモノづくり (講談社BIZ) 川口 盛之助 (2007/07/18) 講談社 この商品の詳細を見る |
日本のモノづくりってオタクっぽいし女の子っぽいよねー!という話。贅をきわめて一見無駄なような痒いところまで手の届く計らいが用意されているトイレとか、街中にあふれて自然に溶け込んでいるさまざまな擬人化されたモノとか。マーケティング畑出身の方の書いたものだけあってキャッチーで読みやすい。あとあとまで残るかどうかは別にして。
そんな具合の軽い本なのに、なんだか最後のあたりに泣けてきてしまった。重ねて言いますが泣ける類の本ではありません。表紙を見れば誰でもわかると思うけどw
日本の輸出している漫画やアニメといったメディアのおかげで、いつか日本が助けられることになるかもしれないというあたり。2045年に日米がまた戦争をしていて、東京を攻撃するかどうか米国要人が会議をしている。当然東京を攻撃すべき、というところに意見がまとまるかと思えたその時、出席者の一人がこうつぶやく。
「そうか、セーラームーンの舞台・白金台もなくなってしまうのか…」
セーラームーンの舞台って白金台だったのwwテラ金持ちwwバロスwwという気持ちとともに、なんともいえない気持ちがせりあがってきて泣きそうになった。最後の最後に一番大事になってくるのは、人の心なんだよなー、と思って。幼い柔らかい心に刻まれた、ちょっとした愛着が最後に何かを左右するのかも。
あと内田樹先生のこのエントリのことも思い出した。あわせてどうぞ。
めちゃモテ日本(内田樹の研究室)
![]() | この商品の詳細を見る |
タイトルに偽りアリで、笑えるお言葉はほとんど存在しない。見開き2ページでひとつの事件における裁判官の言葉(私的なコメントに近い部分)を取り上げていて、文章量も多くないし、あっという間に読めてしまう本なのだけど、ついついその事件における背景なんかを思い出したり想像したりしてしまって読むのに時間がかかってしまった。そう重い内容ではないのだけど、どんな悲惨な事件でも自分の感情を切り離して判例にしたがって量刑を決めたりしなきゃならない裁判官の苦渋がにじみ出ているような気がして暗い気持ちになった。
ここの事件の説明は、数行で軽く説明されているだけなんだけど、この事件あったなーとかこんな事件の裁判か…などと想像するだけで裁判員に選ばれたくないよー!><としみじみ思ってしまった。orz
夏樹静子の「量刑」を思い出したなあ。
![]() | 量刑〈上〉 (光文社文庫) 夏樹 静子 (2004/10) 光文社 この商品の詳細を見る |
![]() | 量刑〈下〉 (光文社文庫) 夏樹 静子 (2004/10) 光文社 この商品の詳細を見る |
![]() | 西の魔女が死んだ (新潮文庫) 梨木 香歩 (2001/07) 新潮社 この商品の詳細を見る |
梨木さんはなんというか"女性性"を深く掘り下げて書く作家さんだなあというのが私の印象。「からくりからくさ」も「沼地のある森を抜けて」を読んだときもそう思った。この本も、いじめを受けた孫娘・仕事に生きる母親・オールドファッションなカントリーライフを送る祖母という3人の女性が出てくるのだけど、いろいろ考えさせられた。
ちょうどスパイダーマンを見たせいで、この祖母のビジュアルはスパイダーマンのおばさんで想像してしまうw いやー、でもラストは分かっていてもやはりうるっと来ましたね。いい本だ。(´;ω;`)
![]() | 沼地のある森を抜けて 梨木 香歩 (2005/08/30) 新潮社 この商品の詳細を見る |
![]() | からくりからくさ (新潮文庫) 梨木 香歩 (2001/12) 新潮社 この商品の詳細を見る |

















