CATEGORY : 本(小説)
宇江佐 真理「あやめ横丁の人々」 (講談社文庫)
DATE : 2007-10-29-Mon Comment 0
あやめ横丁の人々 (講談社文庫) あやめ横丁の人々 (講談社文庫)
宇江佐 真理 (2006/03/15)
講談社

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旗本の末っ子紀藤慎之介は、婿養子の縁談も決まりつつがなく迎えた祝言当日に花嫁をその恋人に連れ去られてしまう。逆上のあまり花嫁の恋人を斬り捨て、花嫁も恋人の後を追い自ら命を絶ち、そのせいで相手の家は跡継ぎがいなくなりお取りつぶしになってしまった。勤め先を失った家臣の面々は逆恨みして、次々に慎之介の命を狙い始める。慎之介は「あやめ横丁」に町人としてかくまわれることになるが、あやめ横丁には秘密があった…。

あやめ横丁のあやめ、は人を殺めるの"あやめ"で、そこに集まる人たちはみな悲しい過去を持つものばかりだった。もちろんそれなりの理由があってのことで、だからこそ刑罰を受けずにあやめ横丁暮らしになっているわけなんだけど、皆悲しい過去を持っている。その過去がひとつひとつ明らかになっていくのが色々と切ない。あと、ヒロインの伊呂波がおきゃんでかわいい。宇江佐さんの描く時代物の女性はみんな気が強くておきゃんでかわいいんだよなあ。伊呂波もかわいかったし、最終章で出てくる薙刀の達人の女性もキュートだった。なかなか面白かったです。
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CATEGORY : 本(小説)
宮部みゆき「楽園」(文藝春秋)
DATE : 2007-10-18-Thu Comment 0
楽園 上 (1) 楽園 上 (1)
宮部 みゆき (2007/08)
文藝春秋

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旅先に持っていって読んだ。さすが宮部みゆきというか、心理描写などの描写力はすばらしく、涙ぐんだり胸が詰まった場面がいくつかあった。なんでもない日常なんだけど、それがこんな風に鮮やかに描かれているのはいつものことながらすごいなあ。前作の模倣犯はだいぶ前に読んだのでもう一度読み直してみたいけど、なかなか精神的に大変そうだ。私はあれほどインパクトのある本に出会ったことがないので。

そんな前作を考えてしまうと、この「楽園」は実に物足りない本だった。前畑滋子の抱えた重さはよくわかるんだけど、読者にとってそれはさほど魅力的なものではないし、上下巻でこれだけの枚数を費やしたにしてはカタルシスがちょっとちっぽけすぎた気もする。多分宮部みゆきだからこそ、どうしても平均点のハードルが高めになっちゃって点が辛いんだろうなあ。

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